初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
月曜日という事でさすがにもう一軒というわけにもいかず、十時前にはお店を出た。

愛羅ちゃんたちとも別れ、私たちも家路に向かう。
今日相良さんが来る事知ってればあんなに慌てなかったのに。

「今日相良さん来るの聞いてなかった……」

ちょっと恨めしそうに言ってみたけど。

「あーいつだったかな、メールが来てさ」

「言ってくれればよかったのに」

うん、そしたらもうちょっと心構えみたいなの、出来たのに。

「当然知ってると思ってたよ、何?クルミちゃん、会いたくなかった?」

「そ、うじゃなくてっ」

慌てて相良さんの方を見ればニヤニヤしてる。
あぁやられた。からかわれただけだ。

「俺はクルミちゃんに会えると思って頑張って仕事終わらせてきたのにな」

そんな事言われたら何も言えなくなる。
私だって会えて嬉しい。自然と繋いでくれた手もすごく。

「……もうっ、相良さんキャラ変わり過ぎ」

「そか?俺、手も口も出るって言わなかった?」

「……言った。」

「だろ?」

「でもっ、」

そんな意味だと思わなかったし。あぁこれに慣れる日が来るのかな?

「ま、諦めてコレに慣れてよ」

「わかった……」

慣れるしかないらしい。
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