初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
「さ、ここです!」
自信満々に言った愛羅ちゃんが連れてきてくれたウインドウに並ぶのは上品なレースがふんだんに使われた……
「ここ、ランジェリーショップだよね?」
しかもインポートを扱う高級ランジェリー。
今までの人生の中で一度も踏み入れた事のないお店。
「はいっ、ここですっ」
「あの?相良さんへのクリスマスプレゼントだよ?」
「そうですよ?」
ますますわからない。男性用もあるというのか?
「クルミ先輩。良くわかんないのにモノなんてあげたって仕方ないですよ。それに、そんなのはいつだってあげられます」
「……まぁ、そうだけど」
だからと言ってそれが下着に繋がるなんて……?
「え?ちょっと、愛羅ちゃん?」
一つだけ思い当った答えにニッコリと愛羅ちゃんは笑みを浮かべる。
「あ、わかったみたいですね?」
「プレゼント買うつもりの金額があれば素敵なのが買えますよ?」
それはそうだろう。だけど、
「愛羅ちゃん……こういうのは段階を踏んでからで」
普段は透けないもの、あたりの出ないもの、そればかりを気にしてた。一応デート用のものもあるにはあるけど……さすがにここまでのものはない。
「って、言うかと思って。こっちです」
スタスタと歩き、今居たフロアからエスカレートーで一つ下の階へと向かう。
今度は愛羅ちゃんが良く行くと言っていたランジェリーショップが見えてきた