初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
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隣に眠る彼の長い睫毛に見とれていたら、パチリと開かれた瞼。
「……どうした?」
少しかすれた声、それがやけに色気を帯びて。
「ぁ、」
さっきまでの事を思い出して瞬間的に赤くなる。
「クルミちゃん、また煽るつもり?」
「やっ、そんなんじゃ――」
またその言葉を止めるように口づけられる。
チュッと音を立てて離れた唇。伏し目がちにしているまつ毛はやはり長い。
「もうっ、最後まで言わせてくれないんだから」
「ん、ムリ。クルミちゃんが煽るから」
楽しそうに言う相良さんの顔は今度は少年のように瞳を輝かせてる。いたずらが成功した子供みたいに。
頬に添えられる手も
こんなに甘い眼差しも
溶けるような口付けも
初めて見る相良さんをもっと見ていたくて。
「眠れない?」
「ううん、もったいなくて」
ただこうしてるだけでも満たされていく。
ちょっと強引な口付けはするくせに
触れるその手は優しくて
鼓膜を震わす言葉は甘い
「ほんと、クルミちゃんて――」
今度はそれを遮るように私から口付ける。
もっとずっと彼を見ていたい。