初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
結婚か―――。
去年先輩は、両親の前で結婚を前提と付き合ってると言った。だけど今考えてみれば、お婆様が亡くなった寂しさもあってそんな事言ったんじゃないかと思える。付き合ってからそんな話は一度も出た事なかったし、私も考えた事もなかった。結婚を考えるってやっぱりすごく特別な事なんだと思う。
妹はよく冗談で結婚資金貯めてるなんて言ってたけど、まんざら嘘じゃなかったのかも。早くから結婚について意識して彼と付き合っていたに違いない。私なんかよりもずっと結婚について真剣に考えてたんだと思うと……
「随分待たせちゃったのかな……」
ピロリン♪
メールの受信音に気づいてバッグの中からそれを取り出す。
《今何してる?》
いつもなら電話をしてくるのに、今日に限ってメールしてきた相良さん。すぐに電話をすると、
『あ、ごめん。クルミちゃん』
「大丈夫ですよ、今自分の部屋です」
帰る前に三日までは実家にいると伝えてあった。
『新年あけると繋がりにくいかもしれないと思ってさ』
「あーそうかもしれない」
『今年最後にクルミちゃんの声聴いときたくて』
またそんな甘いセリフ言って、しかも電話で。そんな事言われたら会いたくなるのに。
去年先輩は、両親の前で結婚を前提と付き合ってると言った。だけど今考えてみれば、お婆様が亡くなった寂しさもあってそんな事言ったんじゃないかと思える。付き合ってからそんな話は一度も出た事なかったし、私も考えた事もなかった。結婚を考えるってやっぱりすごく特別な事なんだと思う。
妹はよく冗談で結婚資金貯めてるなんて言ってたけど、まんざら嘘じゃなかったのかも。早くから結婚について意識して彼と付き合っていたに違いない。私なんかよりもずっと結婚について真剣に考えてたんだと思うと……
「随分待たせちゃったのかな……」
ピロリン♪
メールの受信音に気づいてバッグの中からそれを取り出す。
《今何してる?》
いつもなら電話をしてくるのに、今日に限ってメールしてきた相良さん。すぐに電話をすると、
『あ、ごめん。クルミちゃん』
「大丈夫ですよ、今自分の部屋です」
帰る前に三日までは実家にいると伝えてあった。
『新年あけると繋がりにくいかもしれないと思ってさ』
「あーそうかもしれない」
『今年最後にクルミちゃんの声聴いときたくて』
またそんな甘いセリフ言って、しかも電話で。そんな事言われたら会いたくなるのに。