初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
ふと気がつくと近くのお寺から鐘の音が聞こえている。

もうすぐ年が明ける。

幸せな気分のまま寝て、起きたら神社に行こう。やっぱり一年の始まりはあの神社で引くおみくじで決まる気がする。原宿にある神宮のオオミゴコロもたまにはいいけれど……やっぱり私は、大吉とかわかりやすい方が好きみたいだ。

あの初詣を思い出してみても心はもう痛まない。
坂下くんの事本当に想い出にする事が出来たんだ。考えてみれば色々と謎も解けたし、想いに区切りもつける事が出来た。今では私の初恋の想いはきちんと浄化されてる。

それもこれも、元はといえば先輩のおかげなんだけど、こちらの方はまだチクリとする痛みが残る。

上手くやろうとしていた自分に気づかずに進んでしまった事は悔やんでも悔やみきれない。
相手を思いやり気遣う事という言い訳のもと、自分の気持ちを偽る事は間違っていた。そんなモロモロを気づかされてくれたのは……やっぱり先輩なのかもしれない。

俺にも責任があると言ったけど、あれは私が自分の身を守るために身につけた手段だ。せっかくこれに気づかせてくれたのだから、これからは自分に偽ることをしない。

来年はきっといい年になりますように―――。
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