初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
正月に実家に帰ってきても、特に何があるわけでもなく、初詣に行ってお節料理を食べると夜には何もする事がなくなった。去年は夜先輩と会ったりしたし、二日の昼間には帰ったから結構慌ただしかった気がする。
でもまぁ毎年、お正月ってこんなものなのかも。
見たいテレビもなく、両親との会話も続かない。妹が居ればそんな事もないのだけれど、彼女は彼と会うために出かけている。だけど今唯一、この話題だけは続くだろうと話し始める。
「愛歌(マナカ)の彼、結婚の挨拶に来たんだって?」
「何度も会ってるけど、ご挨拶ってなると緊張しちゃったわ」
その時の事を思い出したのか、お母さんはうっとりした様子で言う。チラリとお父さんを見たけど、テレビの方を見ている。
「でも良かったね」
「お姉ちゃんが先だと良かったけど、こればっかりは縁だからね」
「……うん」
去年先輩を紹介してから音沙汰がなかったから、きっと結婚はないのだと諦めたのかもしれない。
ほんと、こればっかりは縁だ。
「愛歌の彼が今年30なんですって。だからそろそろって」
「あーそうなんだ」
30は節目の年。男も女も結婚について考えるのは当然かもしれない。
「いい人が居ればいくつでもいいのよ、結婚はね」
年齢の割にはあまり興味のなかった結婚も母のその言葉が私にはピタリとはまった気がした。
でもまぁ毎年、お正月ってこんなものなのかも。
見たいテレビもなく、両親との会話も続かない。妹が居ればそんな事もないのだけれど、彼女は彼と会うために出かけている。だけど今唯一、この話題だけは続くだろうと話し始める。
「愛歌(マナカ)の彼、結婚の挨拶に来たんだって?」
「何度も会ってるけど、ご挨拶ってなると緊張しちゃったわ」
その時の事を思い出したのか、お母さんはうっとりした様子で言う。チラリとお父さんを見たけど、テレビの方を見ている。
「でも良かったね」
「お姉ちゃんが先だと良かったけど、こればっかりは縁だからね」
「……うん」
去年先輩を紹介してから音沙汰がなかったから、きっと結婚はないのだと諦めたのかもしれない。
ほんと、こればっかりは縁だ。
「愛歌の彼が今年30なんですって。だからそろそろって」
「あーそうなんだ」
30は節目の年。男も女も結婚について考えるのは当然かもしれない。
「いい人が居ればいくつでもいいのよ、結婚はね」
年齢の割にはあまり興味のなかった結婚も母のその言葉が私にはピタリとはまった気がした。