初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
急に視線を感じて顔をあげると、三人がじっと私を見ていた。

桃華ちゃんは頬を赤らめ、
ミレイさんはまっすぐな視線で、
ノリちゃんはニヤニヤとしながら……、

そこで自分の口から出た言葉にハッとなる。
今この状況でそんな事言ったら、誰と一緒に居たいのかなんてみんなにはバレバレで。

「あ、いや、あの。なんていうか……ね？」

最早誤魔化す事も出来ずに言葉に詰まる。

「うん、かなりいい傾向」

「そんな言葉きいたら潤兄、もうデレッデレになりそうですね？」

「なるほどねー。女子会ってこういうものなのね、とても勉強になるわ」

なんか一名おかしなこと言ってる気がするけれど、それだって十分冷やかされてるし。

「あーえっと、朔也さんは？今日お世話になるからきちんと挨拶しないと！」

なんとか切り返した言葉に「そうだね、うん」とノリちゃんも反応してくれた。

「あぁ朔也なら買いだし行ったわよ？」

　｢｢｢え！｣｣｣

「今日は簡単なスイーツだからランチを作るって張り切って出かけて行ったわ」

「そうなんですか？だったらお手伝いしたのに」

「いいのよ。可愛い女の子をもてなすの、朔也は大好きなんだから」

そう言ったミレイさんの横顔には嫉妬や疑う様子すらなくて余裕の表情さえうかがえる。

相良さんも会社で人気のあるらしい。見えない相手に嫉妬こそしないけど不安がないとは言い切れない。
私もこんな風に相手を信頼し、安心して見守れる日が来るのだろうか。
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