初恋のカケラ【3/13おまけ更新】

「なんで知ってるのって顔、しないでくれる？」

「だって……」

わかりやすい顔をしてるのかと思うと。ちっとも成長してない自分が情けない。

「あの飲み会に先輩を誘ったのは聡だからね。それに―――

木村が連絡した時、先輩は私が参加するのかどうか聞いたらしい。
参加するなら行くと。
でもだからって、それだけで私に好意を抱いてるって言いきるのはどうなのか。

「それだけじゃないわよ？クルミとメールのやり取りを続けてた事。それに私たちも誘って飲み会をした事。もう十分じゃない？」

目の前に理由を並びたてられて、本当に容赦ないこの親友のモノ言いに少しぐったりしてくる。

「……もう、わかったってば」

「でも、先輩がその状況を断ったってことが一番の決定打」

「へ？」

「その誘いを断ってそのまま帰った事は、それだけ本気だってことだから」

本気って言われても。

「それについて私はノリちゃんになんて答えればいいの？」

「答えなくていいわよ、クルミはどうせ考えなしでお茶に誘っただけだってわかってるし」

ピシャリと言われて、他に答えようがない私は黙ってるしかない。