初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
『偶然にしろ運命にしろ、それを決断するのはクルミなんだから』
「私……?」
『ここまでは相良さんがうまくクルミを引っ張ってくれたかもしれないけれど』
「うん、」
『何時までそれ続ける気?』
「いつまで……って」
『相良さんはクルミが流されてるかもしれないって思ってるかもよ?』
「え?流されてなんかないよ!」
『私は過去の事も含めて色々知ってるからそうじゃないってわかるけど、相良さんは先輩との事しか見てないでしょう?』
「うん」
『あの時流されて、また今もそうじゃないかって。今のクルミの態度見てたら疑いたくもなるって』
「そんなことない!」
流されてない。私の意思で相良さんの胸に飛び込んだ。
それは嘘じゃない。
『クルミが相良さんの前で繕ったりしてないのは見ててわかる。だけど、本当のクルミは?』
「本当の私?」
『少しぐらいワガママ言ったらいいじゃない。だいたいクルミはただのいい子なんかじゃないんだから』
「う、それを言われると……」
『聞き分けいいのはもうおしまい。それに、どんなクルミだって相良さん受け止めてくれそうじゃない?』
その言葉を最初からノリちゃん言ってた。確かに付き合い始めは私もそう思ってた。けど、好きが大きくなると同じように不安も大きくなって、ますます自己防衛が働いて……
「……そうかな」