初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
羨ましいのは……誰?
会いたいと思ってる時は全然会えないのに、そうじゃない時は……
「あ、」
乗った電車の車両に偶然にも坂下くんが乗っていた。
仕事帰りの電車で一緒になるなんて事はなかった。
だいたいこんなに偶然に会うんなら、今までだって会ってたはず。
なのに、この前の失態があった後でこうして会うなんて。
驚いている私とは対照的に私を視界に入れると彼は私の側に近付いてきた。
帰りの電車の中は朝ほどは混雑してなくて、多少の移動は出来る。
私の隣まで来ると坂下くんは「この前は平気だった?」と聞いて欲しくない所を一番に聞いてくる。
だけどまずは謝っておこう。
「うん、寝ちゃったみたいでごめんね」
「きちんと家に帰れたらいいんだよ」
「10時半にはベッドに入ってぐっすり」
あえておどけた調子で続けた。
別に先輩と私の関係なんて彼にとっては興味ないのかもしれないけど。
あの後、一人でいたって事だけはアピールしておきたい。馬鹿みたいだけど、
「うん、よかった」
坂下くんがそう言ってくれたのに気を良くした私は、
「日本酒って普段飲む事ないから、あんな風になるなんて思ってもみなかった」
「今度はゆっくり飲むといいよ」
「ん、そうする」
「あ、」
乗った電車の車両に偶然にも坂下くんが乗っていた。
仕事帰りの電車で一緒になるなんて事はなかった。
だいたいこんなに偶然に会うんなら、今までだって会ってたはず。
なのに、この前の失態があった後でこうして会うなんて。
驚いている私とは対照的に私を視界に入れると彼は私の側に近付いてきた。
帰りの電車の中は朝ほどは混雑してなくて、多少の移動は出来る。
私の隣まで来ると坂下くんは「この前は平気だった?」と聞いて欲しくない所を一番に聞いてくる。
だけどまずは謝っておこう。
「うん、寝ちゃったみたいでごめんね」
「きちんと家に帰れたらいいんだよ」
「10時半にはベッドに入ってぐっすり」
あえておどけた調子で続けた。
別に先輩と私の関係なんて彼にとっては興味ないのかもしれないけど。
あの後、一人でいたって事だけはアピールしておきたい。馬鹿みたいだけど、
「うん、よかった」
坂下くんがそう言ってくれたのに気を良くした私は、
「日本酒って普段飲む事ないから、あんな風になるなんて思ってもみなかった」
「今度はゆっくり飲むといいよ」
「ん、そうする」