初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
会話終了―――。
まただ。なんで坂下くんだと会話が弾まないんだろう。
先輩と居る時は、こんな風に会話が止まっても間が持ったんだけど。
男の人が苦手なわけでも、人見知りをするわけでもない。だけど、坂下君だけはダメだ。
あの頃の自分に戻ってしまうのか、色んな事が頭の中でうまく整理できない。
再会できて嬉しい気持ちもあるし、あの頃の事を確かめたいのに。坂下くんの前に来ると途端にそれも全部どこかに追いやられてしまう。
「先輩と胡桃澤さんは……」
「え?」
急に先輩の名前が出て驚いて坂下くんを見る。
「いや、中学の頃から仲良かったなと思って」
仲良かったっていうか、先輩はみんなにもそうしてたと思うし、私だけってことではなかった。
「そうかなぁ?」
「うん、」
確かに坂下君よりは会話の回数は多いと思う。
でもそれは私が坂下くんを好きだったからで、今ならもう少しうまくできたような気がする……。
いや、一緒か。
「先輩はみんなと仲良かったよ?」
「そうだね、今でも変わってなくて羨ましく思うよ」
「坂下くんが?」
「うん、」
それっきり坂下くんは黙ってしまった。
そんな彼にはなしかけることもできず、自分の降車駅がくると挨拶だけして電車を降りた。
まただ。なんで坂下くんだと会話が弾まないんだろう。
先輩と居る時は、こんな風に会話が止まっても間が持ったんだけど。
男の人が苦手なわけでも、人見知りをするわけでもない。だけど、坂下君だけはダメだ。
あの頃の自分に戻ってしまうのか、色んな事が頭の中でうまく整理できない。
再会できて嬉しい気持ちもあるし、あの頃の事を確かめたいのに。坂下くんの前に来ると途端にそれも全部どこかに追いやられてしまう。
「先輩と胡桃澤さんは……」
「え?」
急に先輩の名前が出て驚いて坂下くんを見る。
「いや、中学の頃から仲良かったなと思って」
仲良かったっていうか、先輩はみんなにもそうしてたと思うし、私だけってことではなかった。
「そうかなぁ?」
「うん、」
確かに坂下君よりは会話の回数は多いと思う。
でもそれは私が坂下くんを好きだったからで、今ならもう少しうまくできたような気がする……。
いや、一緒か。
「先輩はみんなと仲良かったよ?」
「そうだね、今でも変わってなくて羨ましく思うよ」
「坂下くんが?」
「うん、」
それっきり坂下くんは黙ってしまった。
そんな彼にはなしかけることもできず、自分の降車駅がくると挨拶だけして電車を降りた。