初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
ピクリと反応した私の手を逃れられないようしっかりと握りしめる大きな手。
外は寒かったはずなのに、すでに相良さんの手は温かい。
いつもそう、相良さんの手は温かい。まるでその人柄を表すように、その手からじんわりと胸へとしみわたっていく。それと同時にチリチリした痛みが和らいでいくのを感じる。
「あ、ジュンさんから電話だ。すみません、ちょっと出てきます」
そう言って素早く席を立つ桃華ちゃんを目で追っていると、
「クルミちゃん」
「え、」
「ごめん、桃ともなかなか都合つかないから、急に勝手に決めて」
気付いてた。私の態度のおかしなこと。笑顔を見せてたはずなのに。嬉しいのと戸惑いと半々で。
「ううん、ビックリしただけ、だから」
「デート。今度、きちんとやり直しするから」
「そんな、」
「せっかくクルミちゃんが可愛いかっこしてるのに」
「……かわい…って、」
じわじわと顔に熱が集まるのがわかる。
ほんとに、いつも相良さんはこういう事サラッと言う。常に不意打ちだからどうしても慣れる事が出来ない。
「俺のためにそれ選んでくれたのかと思って、スゲー嬉しい」
ニッて笑ってから握っていた手を解放すると耳元に顔を寄せて
「メシ食って早く帰ろ。今日こそ絶対、家連れて帰るから」
真っ赤な顔を隠すにはその言葉にコクリと頷くことしかできなかった。
外は寒かったはずなのに、すでに相良さんの手は温かい。
いつもそう、相良さんの手は温かい。まるでその人柄を表すように、その手からじんわりと胸へとしみわたっていく。それと同時にチリチリした痛みが和らいでいくのを感じる。
「あ、ジュンさんから電話だ。すみません、ちょっと出てきます」
そう言って素早く席を立つ桃華ちゃんを目で追っていると、
「クルミちゃん」
「え、」
「ごめん、桃ともなかなか都合つかないから、急に勝手に決めて」
気付いてた。私の態度のおかしなこと。笑顔を見せてたはずなのに。嬉しいのと戸惑いと半々で。
「ううん、ビックリしただけ、だから」
「デート。今度、きちんとやり直しするから」
「そんな、」
「せっかくクルミちゃんが可愛いかっこしてるのに」
「……かわい…って、」
じわじわと顔に熱が集まるのがわかる。
ほんとに、いつも相良さんはこういう事サラッと言う。常に不意打ちだからどうしても慣れる事が出来ない。
「俺のためにそれ選んでくれたのかと思って、スゲー嬉しい」
ニッて笑ってから握っていた手を解放すると耳元に顔を寄せて
「メシ食って早く帰ろ。今日こそ絶対、家連れて帰るから」
真っ赤な顔を隠すにはその言葉にコクリと頷くことしかできなかった。