初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
「潤にぃってそんなキャラだった?」
「あ?」
「なんかもっと彼女にはクールな……」
「はは、クルミちゃんは特別」
また言ってる。特別とかっ。
「ま、あれだ。あいつもそうだろ?特別だと変わるんだよ」
尤もらしくしみじみ言う相良さんに深く頷いた桃華ちゃん。
「……そうなのかも」
「ていうか、桃。あんまり飲むなよ、俺があいつに怒られるんだからな」
「ぇー、少しぐらい大丈夫っ、これでも強くなったんだからっ」
「飲むならアイツがきてからにしろって」
よく見れば、この二人のやり取りは兄と妹そのもので。大好きな妹を心配する兄と小さな頃から兄が大好きな妹それが今でも続いてる。そんな風にも見える。
彼にも兄(イトコ)にも見守られている彼女。それを一瞬でも嫌悪するなんて自分はどうかしてた。
相良さんと付き合っていくならこの光景はこの先に何度も見るもの。だから、私も、
「じゃあ、桃華ちゃん。一緒に食前酒になりそうなもの飲もうか」
「はいっ」
ニコニコして頷く桃華ちゃんはやっぱり可愛い。
うちの妹よりも若いせいか可愛げもある。というかビックリするほどすれてない。
きっと大丈夫。そう言い聞かせて、私の中の不安やなものに蓋をした。