初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
「三月なら、うん。いつでも大丈夫」
というか、多少無理してでも相良さんの予定に合わせるつもり。
「出来たら金曜の夜から行きたいからさ」
すでに相良さんの中で予定が組まれているらしい。
口が先に出ると言ってるわりにはきちんと計画的に物事を進めるタイプ。そんなところもすごく頼りになる。
「うん、相良さんの都合で進めてください」
「まぁあれだな。その前にクルミちゃんの妹さんの結婚式あるけどな」
って、忘れてたわけじゃない。だけどなんとなく頭の隅の方に追いやってたのは否めない。
だって、うちの人に紹介しなければいけないことになるんだから。都合悪くなったりしないよね?そんなこと……ないか。
「あ、うん。忙しい所ほんと申し訳ないデス」
「そんなことないよ、楽しみにしてる」
―――楽しみにしてる。
そう言われて複雑で。あいかわらず微妙な気持ちを抱えていた。
「その話よりも、」
「え?」
急に近寄ってきた相良さんにピクリと反応した。
「せっかく二人でいるのに、他の話ばかりだし」
あ、相良さん拗ねてる。
ちょっと可愛くてクスリと笑いを洩らすとグラスを取り上げられた。
「ぁ、」
「はい、これもおしまい」
久しぶりの二人の時間。そこから甘い時間へと塗り替えられていった。