初恋のカケラ【3/13おまけ更新】

「ん、じゃ座るか」

「え、だってここって……」

私の隣、つまり親族席。

「ん。愛歌ちゃんからここでって言われてる」

「え。なんで?」

席の前で立って、戸惑っているうちにどんどん人は入ってきて。

「訓歌、何で立ってるんだ?」

「って、お父さんっ」

よりにも寄ってお父さんが先とかっ、なんで?っていうかどうすれば?

「本日はおめでとうございます」

そんな私を他所に相良さんがスッと立ってお父さんに挨拶を始める。

「ありがとう、すまないね、娘のワガママで出席していただいて」

「あら、相良さんもういらしてたんですね?」

って、お母さんまでっ。しかも相良さんの名前知ってるし、というか親戚の事もあるから席も両親に相談してたんだろうけど。でも?

「はじめまして、相良と申します」

「あら、あらあら。まぁっ」

お母さん、言葉になってない。
そりゃ、相良さんは背も高くて精悍な顔立ちで正装してるから尚更それが引き立っているけれども。

「母さんも、ともかく座らないか?」

お父さんはちょっと苦笑いで、そう言うとお母さんもそれに黙って従った。
何でこのテーブルだけ四人。
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