初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
すでに酔ってるのか伯父さんはご機嫌な様子で話しかけてきた。もう挨拶は一通り済ませているから関心は「訓歌も綺麗になったなぁ」って、やっぱり私。

さっきの控室であったのは女の人だけだったから当然久しぶりなんだけど。

そしてすぐに隣に目をやると、相良さんはそれに気づいてスッと立ち上がり、

「はじめまして、相良です。訓歌さんとお付き合いさせていただいています。」

丁寧に挨拶をし始める。いや、嘘じゃないけど。そうなんだけど、この場でそんな事言ったら……

「訓歌の母親の兄です。相良くんか」

「ちょっと兄さん、あんまり飲み過ぎないでよ」

ご機嫌なおじさんにお母さんはくぎを刺すけど、おめでたい席なんだからいいじゃないかって気にする風もなく答えた。そして「じゃあ、また。次はおめでたい席で会うのを楽しみにしてるよ」と言って自分の席に戻って行った。

はぁ、なんだこれ。
今日の主役は愛歌じゃなかったのか?どうやら親戚の関心事は私の隣に座る相良さん其の人だったようだ。

ていうかおめでたい席って何。
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