初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
愛歌の友達のいるテーブルのなんと華やかなこと。
何度か会ったことのある子もいるけど、聞いていたようにみんな美人。これだけのメンバーならさぞかし新郎の友達の方も放っておかないだろう。話しながらそのテーブルを見渡すと、

「ぇ?」

いるはずのない人がいる。
いや、いるはずないって決めつけちゃいけなかったのか。
なんで。ぐるぐると頭の中でさっき見た彼の生い立ちを思い返してみると。

あ、彼は私たちと同中だ。私の一つ上。つまり、

「お姉さん、誰か素敵な人でもいたんですか?」

と、愛歌の友達に話しかけられた。

「え?あ、ううん。ちょっと知り合いがいただけ」

「ええ、そうなんですか?向こうの席に素敵な人いるねって話してたんですよ?私たち」

「知り合いっていうか、ちょっと顔を知ってるってだけだから」

震える手を隠してそう答えた。ここで紹介してなんて言われたらたまらない。

「そうなんですねー。ていうかお姉さんの彼素敵ですもんねー」

「え?あ、ありがと」

そういうのが精いっぱいだった。立ってるのがやっとで「じゃ席戻るね。今日はありがとう」そう言って自分の席にゆっくりと戻ろうとした時―――、
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