初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
「どうも、こんにちは」
あいかわらず先輩にはちょっと冷たく言い放つ。
「ふっ、そんな牙向かなくても。もう手出さないって」
両手をあげ、降参のジェスチャー。
「まぁ前科がありますからね、念のためです」
トゲトゲしく言って私を守るように隣に並ぶ。
「今日は友人の結婚を祝いたくて参加してるだけだよ」
「そうですか」
「でも、クルミが元気そうで良かったよ」
また相良さんが何かを言いだす前に私が口を開く。
「はい、元気です。先輩も元気そうで良かったです」
相良さんが隣に並んでくれて気持ちが落ち着いた。今なら普通に話せる。隣で相良さんは私を見守ってくれてるから。
「うん」
「愛歌の友達が先輩の事騒いでました。あいかわらずモテますね」
「はは、そうでもないよ」
あ、言いすぎた?嫌味っぽかった?
調子に乗り過ぎたかも知れない。そう後悔してると、
「この前と二人、雰囲気が違うね」
「へ?」
「は?」
「全く同じ反応だ。ちょっと妬けるね」
雰囲気って、どういうことだろ。相良さんと顔を見合わせる。
「今回本当に納得した。お幸せにね」
そう言って先輩は自分の席に戻ってしまった。
お幸せに、確かに今そう言った。