初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
キャンドルサービスが始まり各テーブルごとに挨拶をしながら炎をともす。

司会の人が愛の炎を一つ一つ灯して参りますなんて随分と昔ながらのセリフ言ってたけど。これって言ってて恥ずかしくないんだろうか。ま、ちょっとやり過ぎぐらいの方が披露宴では盛り上がるのかもしれない。

だけど、私はもっとこう。手作り感あふれる小ぢんまりとしたウエディングがいいな。愛歌みたいに相手の人の都合もあるだろうけど、相良さんなら……

ってまた、相良さんとの結婚式の事なんて考えてた。
もう、なんていうか重症だ。相良さんがあんな事言うから余計。

友人の結婚式に出ると半年は結婚したい病にかかってたと過去に言っていたのはユキミ。あぁ今ならそれもわかる。というか、今までわからなかったのはそんな風に思う相手がいなかったからだという結論に達した。


……もしかして。愛歌は先輩が式に呼ばれているのを知って相良さんの参加を促した?でもそれにはきちんとした場所を用意しなければって両親に相談して?

あぁもう愛歌って。

その時ちょうど、愛歌と彼がテーブルについた。

愛歌は自慢の妹だ。ちょっと要領がよくて物怖じしなくて、だけど何よりも相手を思いやる気持ちがある。

「愛歌、幸せになってね」

キャンドルの炎を見てそう呟いた。
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