初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
恐る恐る振り向くとそこにいたのはやっぱり相良さんで「おつかれさまデス」なんとも色気のない挨拶をする。

「相良さんおつかれ~」

「おー、ビールでいい?」

すばやく店員を呼び、飲みもののオーダーをする木村。こういうとこ飲み会慣れしてるから任せておいても安心。

コートを脱ぎ、そのまま私の隣に座る。そしてすぐに届けられたビールを手に持つ

「とりあえずおつかれです」

ビールを掲げて一気に半分まで飲み干す。いつ見てもいい飲みっぷり。それに本当に美味しそうに飲む。

「はいはい、クルミ。自分の彼に見惚れてないで」

「見っ惚れてなんて―――」

確かに見てたけれども。美味しそうに飲むからっ。そう言いかけて。

「で?クルミちゃんは婚約者にそんな事言うんだ?」

「婚約?!」

した覚えない。いや、大体結婚そのものの約束さえしてもいない。

「何言ってんの、クルミ。親戚に紹介しておいて」

「や、だってあれは……」

その場をやり過ごすためって言うか。
それよりも。なんで私一人、おいつめられてる?
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