初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
「んーお腹いっぱい」
「そういえば今日は珍しく食ってたよな」
珍しくなのかな。でも楽しいと箸も酒も進むって言うからそうなのかも。
「うん、楽しかったからかな」
「やっぱり同級生ってなんかいいよな」
中学から仲良くしてきた友達。これからもずっとそうありたい、そう考えながら「そうだね」と答える。その中に相良さんも入ってるって事。気づいてるかな。
相良さんと一緒に帰る道。いつもなら歩みの遅くなる私も今日はいつもどおりに歩く。
「あ、ちょっとだけ家寄ってもらってもいい?」
「いいけど、また朝ご飯の材料?」
「うん、そう」
なんかだっていつも相良さんには気付くとご馳走してもらってて。これぐらいは……
「ん、いいよ。ここで待ってる」
そう言った相良さんをマンションの入り口に残し急いで部屋に。今日もひとまとめにしてあるそれを掴みすぐに戻った。
「はやっ」
相良さんが驚いた顔をしたけど、すぐに「じゃ帰ろうか」そう言って手を繋いできた。
相良さんの家に一緒に帰る。
毎日がそうだといいのに。そう思いながらその手をキュッと握り返した。