初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
そのまま挨拶だけして自分の家に帰った愛羅ちゃんを彼が同窓会の後で迎えに来てくれて、そのあと彼の家で話を聞いたらしいけれど。

「聞いたら中学の同窓会で。しかも初カノですよ!初カノ!」

初カノ。元カノだの今カノだのって日本語がおかしい気もするけれど。

「で?その初カノが初恋の相手って事?」

「そうですよ!もうっ」

あぁそっか、たしか前に先輩が初恋の彼を越えられないって言ってたっけ。それに初恋の彼女は特別って。
木村も然り、案外男の人の方が初恋の相手って拘ってるのかも。

「でも彼は迎えに来てくれたんでしょう?それに」

大切だから言い訳もせずにきちんと理由も教えてくれたんだと思う。きっと愛羅ちゃんも頭ではわかってる。

「でも、」

「今の彼女は愛羅ちゃんで。それが一番大切だって思ってくれてるんでしょう?彼は」

「……そう、なのかな」

深く頷いて見せた。

「……なんていうか、心が嫌だって拒否反応示してるんです」

うん、そういうのって割り切れないこともある。
初めての相手って色んな意味で印象に残ってるだろうから、想いが再燃なんてなったら勝てるわけない。
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