初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
「良かった、すぐに会えて」
柔らかく微笑んでいう相良さんにドキリとする。なんかちょっと今日は雰囲気が違う気がする。東京駅ですでに旅行フィルター掛かってるなんてことはないと思うんだけど。
「クルミちゃん?」
「え?あ、えと。時間ちょっと早くない?」
「ん。クルミちゃんの買い物の手伝い?しようと思ってさ」
手土産買うなんて言ってないのに。
「え?なんでそれっ」
「まぁそれより、そろそろ時間だし急ごうか」
スッと私の横に来て手を握ると相良さんはそのまま歩き出した。あきらかに目的地が決まっていてに向かってる歩き方。ここは名店街が多くあるけど点在していて……
一軒の店の前でふと立ち止まると「クルミちゃん。ここ母さんのお気に入り」と言う。そういえば老舗だけど店舗も少なくて限定品があるって聞いた事がある。
「東京駅限定っての?それいつもせがまれる」
苦笑いしながらも、私が迷う事のないようにさりげなく誘導してくれる。
「あーじゃあお土産それにしちゃおうかな」
「ん、クルミちゃんからだったら母さんも喜ぶよ」
その言葉を聞いて安心し無事にお土産を買う事が出来た