初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
「起こしちゃった、よね?」
「うん、バッチリ目覚めた」
ですよねー。
思いっきり手スリスリしてたし、なんか恥ずかしい。ていうかあーもうっ、そのままそっと目つぶればよかった。後悔は当然あとからやって来るもので。
「そういうかわいい事は、起きてる時にやって」
へ?無理。てか起きてたら絶対しないし、いや出来ないって。
握ってたはずの手を今度は握りなおされて、こっちからは手を解けない感じ。
とりあえず「うー」と唸ってみたけど、それを見た相良さんが「ははっ」て笑ってる。
「なんか飲む?」
「ううん平気」
「じゃ、昨日の続きな?」
続き?ていうか、また頭撫でられてる。
だからそれが寝ちゃった原因なんだって。
「あの、相良さん?」
「んー?」
「また、寝ちゃうよ?」
「ん?いいよ」
そう言って額に優しく口付ける。
そっと離れていった相良さんの喉仏が目に入って。
……昨日の夜から私、なんか変だ。
頭ではそう思うのに、無意識でした事といえば。離れていったはずの喉元に口付けてた。
「やべ、朝から襲いそ……」
頭上から聞こえたのはそんな言葉で。そのあと、熱い口付けが降ってきた。
「まだ、朝じゃない……」
そう私たちの朝はまだずっと先。