初恋のカケラ【3/13おまけ更新】

「はは、俺。クルミちゃんの名前紹介すんの忘れてたか」

後ろから聞こえてきた朗らかな笑い声に少しだけ気持ちが楽になった。

きちんとしなきゃ、その気持ちがいつも間にか身体をこわばらせてたのかもしれない。そんな時相良さんは、いつもこんな風に私の気持ちを解してくれる。その力強い存在っを後ろに感じながら、まっすぐと墓石を見つめて言う。

「……私も彼の隣で過ごせたらと思ってます」

今まで未来の話を相良さんとした事はない。けれど、これが今の正直な気持ちだから。


後ろからふわりと抱きしめられた。

「わ、ちょっ相良さんっ」

お墓の前で抱きしめるとかちょっと不謹慎なんじゃ?
だけど相良さんは「ちょっとだけだから」と言って髪に顔をうずめてさらに拘束を強くする。ちょっと痛いぐらいに。辺りには人はいなかったはずと思い目を瞑る。

「あらっ、潤季ちゃんも来てたの?」

少し遠くから聞こえてきた声に焦る。
きっと体の大きな相良さんに隠れて声をかけた人は私の存在に気づいてないんだろう。でも名前を呼ぶぐらいだからきっと親戚とか?そっと拘束を解かれて小さくため息をつく相良さん。

「凛子おばさん……と、母さん?
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