初恋のカケラ【3/13おまけ更新】

『一生懸命さが足りないって言うのかな。だってさ、別れても取り乱すようなことなんてなかったじゃない』

「う。」

そう言われてしまうと何も言えない。
ここ最近で別れた理由は色々あるけど、塞ぎこんだり泣き叫んだりなんて事は一度もない。
だからノリちゃんの言う事には反論の余地はない。

『それなりに好きだから付き合ってたんだと思うけど、うまくやってるクルミは聞いててあんまりいい感じはしなかった』

「そ、そこまで言っちゃう？」

たしかに否定は出来ないって所はあるんだけどね。
だけど、言い方ってもんが……。

『うん。だって、その通りでしょ？後悔ある別れ一つもないでしょ？』

「ない。」

ノリちゃんのその言葉に私もキッパリ言いきれるほど。

……その程度のつきあい、だったのか。妙に納得。

大した恋愛してきてないんだな、私。

それなりに付き合ってきたつもりなのに、うわべばかりで。結局成長できてないとか。

『そう言いきれちゃうクルミは、好きよ』

「ありがと。」

なんだかそれで今までの恋愛も少しだけ報われた気がした。
要するに自分の恋愛はまだまだだってことがわかっただけなんだけど