初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
ヒノキの香りが霞むぐらい私の脳を支配しているのは相良さんの香り。
朝だとか、ここがお風呂だとかそんな事すっかり吹き飛ぶぐらい。

「ヤバいな。どんなにクルミちゃんに触れてもまだ足りない」

触れている事が当たり前だと思うぐらいもっと近くに居て欲しい。それに、触れて欲しいのは私。

「……もっと」

そう欲してしまうのは、いつだって私の方。

欲しがって、甘えて。満たされたくてまた欲しがる。
いつもその繰り返し。だけど、そんな風になるのは相良さんだけ。

「クルミちゃん。ベッドいこ」

いつまでもいつまでも、そんな時間が続けばいいのに。


まだ夜が明けない―――。

そう言い聞かせた私は、相良さんを求める。

恥ずかしいとかそんな事はもう思わない。

今欲しいのは相良さんその人だけ、なのだから。


相良さんといると時間が足りない。

もっともっと一緒に居たい。



「このままここにいたら逆上せそ……」

「ん、だな。俺も」


ザバンと勢いよく立ちあがった相良さん。

そのまま浴室を出てバスローブを羽織ってから戻ってきた。その手にはタオルが握られてて、私の体が見えないように広げる。

「早く上がっておいで」

そんな小さな気づかいに、相良さんをもっと好きになっていく。

もう、これは逃れられない。

たぶん、一生
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