初恋のカケラ【3/13おまけ更新】

「お二人の報告を聞いて乾杯にしますか」

「はは、なんか改めて言われると」

ちょっと照れてる相良さん。うん、確かに改めて言うとなるとそうかもしれない。

「だって今日は報告会って潤兄が言ったんじゃん」

桃華ちゃんの指摘にちょっと姿勢を正した相良さん。

「ま、そうだ。そういうわけで、俺達結婚する事になりました」

「わぁークルミさん、おめでとうございますっ」

「ち、俺じゃなくてクルミちゃんかよ」

「えーだって、クルミさんと親戚になれるなんて。お姉さんが出来るみたいで嬉しいっ」

そうか、桃華ちゃんは私の事。そんな風に思ってくれてたんだ。

「では改めて二人ともおめでとう。乾杯」
「乾杯♪」

「ありがとうございます」
「さんきゅ」

結婚の報告をして祝福されるのは嬉しい。

一点の曇りもなくみんなに祝福される幸せ。ノリちゃんの言った言葉の重さ、今ここで改めて感じる。

「それで?潤兄たちはいつ結婚するとかもう決まったの?」

興味津々とばかりに質問してくる桃華ちゃん。
確かに、私でも同じ事聞くかも。

「あークルミちゃんが桜の季節がいいって言うんだけど……」

「え?えと、すぐって事ですか?」

いやいや、そんなわけない。二人だけでってわけにもいかないから。

「だから一年後ってことだよなーってさっき話してたとこ」

「待てるんですかねぇ?相良さんは」

ちょ、堂地さん。そんな意地の悪い発言。勘弁して欲しい
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