初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
「桃は妹以上にはなりえない。まぁそれにアイツも心から思いあえるそんな奴が現れたから兄代わりの俺としては安心して任せられる」
しっかりした口調でそう言い切った相良さん。
何で私はそれを信じ切れなかったんだろう。異性の兄弟が居ないからその気持ちがわからないというのもあるのかもしれない。だけど何より自分が相良さんに愛されるべき存在かという不安が大きかったのかもしれない。
「……うん」
桃華ちゃんと堂地さん。
二人はあんなにラブラブに見えて色々ある事を聞いた今なら、相良さんの言葉もすべて心に入ってくる。大体比べるモノじゃない事はわかっているはずなのに。
「俺がクルミちゃんに気持ちを伝えきれてないのが原因なんだよな」
「そんなことないって」
相良さんはこんなにもまっすぐに私に気持ちをぶつけてくれるのに。
私は咄嗟に相良さんの頭を抱きかかえるように抱きしめてた。
いつも自分の不安ばかりで
それにおびえるばかりで。
だけどそれは相手にも伝わる事なんだって。今頃やっと気付いた。
相良さんにそんな不安を抱かせたのは私。疑うばかりで信じることを後回しにしてた。
守るだけの付き合いじゃなくて一緒に成長したいってあれほど何度も言ってくれてたのに。その意味、私は全く分かってなかった。