初恋のカケラ【3/13おまけ更新】

「クルミちゃん、やっぱり俺じゃ不安？」

ほら、やっぱり。相良さんだって私の言動一つでこんな風に思うんだ。
私と何一つ変わりない。だから私は正直に言う。

「ううん、そんなことない。私にはもったいないぐらい」

「俺も、同じ事考えてた」

やってみれば、こんな簡単な事。

私が素直な気持ちを打ち明ければ。それに対してきちんと返ってくる。
繕った気持ちでなく、本音の相良さんの言葉が聞けたのに、いい子でい過ぎて色々見えなくなってた。それがすべての解決になんてならないのに。

今はただ、相良さんと同じ気持ちだって事。分かち合いたい。

相良さんの頬にそっと手を伸ばす。

「相良さん、」

「……あぁ、クルミちゃん？そろそろそれやめない？」

それ？って？

「もうすぐクルミちゃんも相良になるんだしさ」

ハッとして見ると相良さんは困ったように眉を下げる。

最初にそう呼んだからずっとそのままだった。このままじゃいけないんだろうなぁとは思ってたけど、タイミングがなかなかつかめなくて……と心の中で言い訳。

たったそれだけの事で相良さんの不安が払拭されるなら。

「ジュンキ？」