初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
いつも夜に行くイタリアンの店でランチを食べた。
気まぐれに始めた昼間のランチが近所の奥さまの口コミで人気だとかで店はすぐに満席になった。
夜とは違ってかなり忙しそうだったので、お腹を満たされてすぐにお店を出た。
「やっぱり夜の方がいいな」とはいえ、味は間違いなく美味しかったので満足ではあった。
少し遠回りだけれど桜並木を家の方に向かって歩く。
昨日の朝、ほころび始めていた桜の花は一気に開花していた。まさに満開の桜並木を手を繋いでのんびり歩く。時折強い風がザァって吹いて桜の花を揺らす。
「一気に咲いたなぁ」
「そうだね……」
日当たりの良い場所はすでに咲いていたのか、その強い風に花びらが舞う。其の桜の花びらを目で追っていると、
「クルミちゃんは桜が似合うな」
上から相良さんの声。
「え?」
「やっぱ来年まで我慢するか」
来年までとは結婚式の事、なんだろう。だけどそれならなおさら、
「ううん、私が我慢できない」
「は?」
「来年の桜も、相良さんと一緒にゆっくり見たいから」
相良さんは驚いた顔をした後に、ゆっくりと微笑んだ。
来年も再来年もずーっと彼の隣で桜を見たい。
気まぐれに始めた昼間のランチが近所の奥さまの口コミで人気だとかで店はすぐに満席になった。
夜とは違ってかなり忙しそうだったので、お腹を満たされてすぐにお店を出た。
「やっぱり夜の方がいいな」とはいえ、味は間違いなく美味しかったので満足ではあった。
少し遠回りだけれど桜並木を家の方に向かって歩く。
昨日の朝、ほころび始めていた桜の花は一気に開花していた。まさに満開の桜並木を手を繋いでのんびり歩く。時折強い風がザァって吹いて桜の花を揺らす。
「一気に咲いたなぁ」
「そうだね……」
日当たりの良い場所はすでに咲いていたのか、その強い風に花びらが舞う。其の桜の花びらを目で追っていると、
「クルミちゃんは桜が似合うな」
上から相良さんの声。
「え?」
「やっぱ来年まで我慢するか」
来年までとは結婚式の事、なんだろう。だけどそれならなおさら、
「ううん、私が我慢できない」
「は?」
「来年の桜も、相良さんと一緒にゆっくり見たいから」
相良さんは驚いた顔をした後に、ゆっくりと微笑んだ。
来年も再来年もずーっと彼の隣で桜を見たい。