初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
桜の木の下で
「ほら、もっと寄って。全員入りきらないから」
満開の桜の下。ぎゅうぎゅうに近寄ってそのカメラのファインダーに納まる私たち。
場所は都内の公園。今日は花見の宴でたくさんの人が集まってる。
「いい天気になってよかったねー」
「それは俺の日ごろの行いがいいからだろ」
「ちょっと、なんで聡の行いが関係してるのよ」
「ふふ、そうかもね?」
相変わらず仲の良い二人の姿を見ながらそう答える。
「何言ってんのよクルミ。今日の主役はクルミなんだからそんなわけないでしょうが」
ノリちゃんは相変わらずというか、以前に輪をかけて世話焼きになった。それというのも、
「ほんと、ママは怒ってばっかだよなー、日向(ヒナタ)」
愛息に向かってそう話す木村はもうすっかりパパの顔。そんな家族の姿を微笑ましく思いながら私も隣に視線を移す。
「ん?どうした?」
変わらない相良さんの笑顔。
あ、もう私も相良だからそう呼んじゃダメなんだけど。と、頭の中で訂正しながら
「思ったよりもたくさん集まったね」
「だなぁ、みんなこういうイベントごと大好きだからか」
今日はお花見に来ている。
実は花見は二番目の趣旨で一番目は、
「もう、何言ってんの相良さん。今日は二人の結婚お披露目会じゃない」
身内だけで海外ウエディングをした私たちに、ノリちゃんからお花見兼結婚披露パーティをしようと提案された。