初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
信号待ちの間に並んだ彼をそっと見る。
当時から細い印象の先輩は、今でもそんなに体は大きい方じゃない。
ヒールを履く私と並ぶと目線はかなり近い。きっと170ちょっとぐらいなんだろうか。
だからこそ、この服装も似合う。
それに平日のスーツの時には綺麗に整えられた髪も、今日は無造作な感じで。
風に乗って仄かに香って来たコロンの香りも新たに知った一面で。
どんどん増えていく先輩の情報に嫌な面は一つもない。
「……でも、やっぱり不思議です」
こうしてる事も。
私が先輩を嫌と思わない事も。
知っていたはずの先輩は、新たに知った事の方が多くて。
しかもそれを嬉しいとさえ思う。
きっとこういう所から、少しずつ想いが増えていくんだろう。
「クルミ?」
いつの間にか信号が青に変わってた。
少し出遅れた私を心配して呼びかけてくれた先輩。
その声に我に返って歩きはじめた。
「先輩って美術館見るときってどんな感じですか?」
「あー、好きなのだけ時間かけてみてあとは素通りとかな」
苦笑している先輩に驚く。
「それ、私も一緒です」
だって好きなものはとことん見たいし、世界に浸りたい。
だけど興味なければどんなに有名でも関係ない。
こういう所で考えがあうと嬉しい。
当時から細い印象の先輩は、今でもそんなに体は大きい方じゃない。
ヒールを履く私と並ぶと目線はかなり近い。きっと170ちょっとぐらいなんだろうか。
だからこそ、この服装も似合う。
それに平日のスーツの時には綺麗に整えられた髪も、今日は無造作な感じで。
風に乗って仄かに香って来たコロンの香りも新たに知った一面で。
どんどん増えていく先輩の情報に嫌な面は一つもない。
「……でも、やっぱり不思議です」
こうしてる事も。
私が先輩を嫌と思わない事も。
知っていたはずの先輩は、新たに知った事の方が多くて。
しかもそれを嬉しいとさえ思う。
きっとこういう所から、少しずつ想いが増えていくんだろう。
「クルミ?」
いつの間にか信号が青に変わってた。
少し出遅れた私を心配して呼びかけてくれた先輩。
その声に我に返って歩きはじめた。
「先輩って美術館見るときってどんな感じですか?」
「あー、好きなのだけ時間かけてみてあとは素通りとかな」
苦笑している先輩に驚く。
「それ、私も一緒です」
だって好きなものはとことん見たいし、世界に浸りたい。
だけど興味なければどんなに有名でも関係ない。
こういう所で考えがあうと嬉しい。