初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
「普通を良く知ってるのはクルミしか居ないと思って」
ノリちゃんがそんなつもりはないのはわかってる。だけど自分はやっぱり普通なんだって確定印押されたみたいで……
「ごめん、ノリちゃん。どれもダメ」
「……はぁ、やっぱり。」
嫌がらせのつもりはない。
だけど、出されているものは学生時代に来ていたものが多いのか流行遅れのものばかり。
気を使っていった所でノリちゃんにはどうせわかっちゃうからハッキリ言った。
「まず、どこでいつ会うの?時間は?それと予算」
それにすらすらと答えるノリちゃん。
来週の昼間で、要するにもう時間がないってこと。
ノリちゃんの手に握られていたマグを取り上げて、そのまま立ちあがる。
「お茶なんて暢気に飲んでる場合じゃないから、出かけるよ!」
「え?」
「使えそうな小物は覚えた。だから早く出かける準備して」
いつもと立場が逆。
だけど、アタフタしてるノリちゃんもなんだか可愛い。
最後にカップのコーヒーを飲みほしてキッチンでそれを洗ってふせた。
振り返るといつものノリちゃんが出来上がってて、それを見てちょっとほっとする。