初恋のカケラ【3/13おまけ更新】
「ノリちゃんて、今まで付き合ってた人と結婚とかそういう話になった事なかったの?」
私のその問いかけに、急に顔を曇らせるノリちゃん。
「んー。ない、かな。」
23からずっと付き合ってて一度もないなんてこと。あるのかな?
そもそも同じ人とだったのか。そんなことさえ知らなかった私は、やっぱり親友とは呼べないのかもしれない。
だけど、今日頼ってきてくれた事は事実だから。
「人の事言えないんだけどねー、私も」
「そうだよ、クルミ」
ノリちゃんの曇った顔がそれで戻った気がして。
「ま、私にできる事なら、お手伝いします」
この話しは終わらせることにした。
お酒も進んできたから木村との関係がどうなったのか聞いてみたけど、帰ってきた答えは。
「どうも、なにも、なってない。てか、ヤってない」
「ちょ、ノリちゃん。声大き――」
ハァー
え?なに?
聞いちゃいけない事だった?
急に下を向いてるし。
今日はほんとノリちゃんらしくない事ばかりで。
「ほら、ノリちゃん。飲もう?」
学生の時みたいに、バカみたいな事で笑って。
恋の悩みを打ち明けて、一緒に悩んで。
内容は少し違うかもしれないけど、それでもあの頃と同じように。
ノリちゃんと一緒に考えたいんだ