キミのことは好きじゃない。

でも、それは私の勘違いだったってこと、あの日分かった。


あの日……颯斗が私を放課後呼び出して……。


『俺と、付き合って』


そう告白してきたのは、当時颯斗と同じ部活の先輩だった。


初めての告白に驚いたのもあったけど、その先輩のことをカケラも知らなかったから告白の返事は決まっていた。


もちろん、断る方向で。


だけどその先輩が言ったんだ。


『颯斗が、キミが彼氏を欲しがってるから、きっと上手くいくって応援してくれたんだ。……あ、代わりにちゃんと颯斗にもマネージャーと上手くいくよう協力してやったんだよ』


先輩の言葉が針となって私の心に刺さった。


確かにカッコいい彼氏が欲しいって颯斗に話したことはあったかもしれない。だけど、それは誰でもいいわけじゃない。


本当に好きになった人と恋人同士になるのに憧れていただけだ。


それなのに颯斗は、私が誰とでも付き合える女の子だと思っていたこともショックだったし……


なにより、颯斗がマネージャーのことを好きだったなんて知らなかった。


あんなに一緒にいたのに、颯斗の気持ちに気づきもしなかった。


私はあの日、颯斗への恋心に気付いて……そして失恋したんだ。