キミのことは好きじゃない。


チュン、チュン、チュン、チュン……


スズメの鳴き声がどこか遠くで聞こえてる。


これは、本当にスズメが鳴いているわけではなくて、私の携帯のアラームの音。


これが聞こえるということは、朝の5:30ということだ……。


いつも寝る前にはベッドの横のサイドテーブルに置いておく。そこが手を伸ばして届く1番いい場所だから。


だから、私はいつものように手を伸ばしてサイドテーブルを探した。


「……ん、」


今日に限って思う通りに携帯を取ることができなくて身体を少し動かした。


途端に下腹部に鈍い痛みを感じて手を添える。


痛みよりも、触れた先にあるはずの感触がないことの方に訝しく思った。


あれ……パジャ……!?


右手でスプリングを押しながら身体を起こす。


起き上がることで肌に触れていたシーツが滑り落ちていく。


「ひっ……」


自分が何も身につけていないことに気づいた時、思わず悲鳴が溢れた。





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