キミのことは好きじゃない。
スヌーズが働いて再びスズメの鳴き声が聞こえてきて私は我に返った。
その瞬間自分の携帯が床に落ちているのに気づいて、慌てて拾い上げアラームを停止させた。
停止させて……恐る恐るベッドを振り返り、愕然とした。
今しがた自分が寝ていたベッドの脇に、もう1人寝ていた。
自分と同じく素肌にシーツをかけて、スヤスヤと寝息を立てている……颯斗。
どうして?
なんで颯斗と私が。
訳がわからない。頭の中がぐちゃぐちゃで何かを考えることができない。
ただ混乱していた。
混乱しながらも自分が裸だということには羞恥心があって、辺りを見回して床に散らばる自分の服を見つけて急いで身につけた。
全然冷静になんてなれないけど、どうやらここはシティホテルの客室という事だけは何となく理解できた。
所謂そういうホテルの作りには見えなかったから。
でも、この状況は颯斗と私が一晩この部屋で過ごしたのは明白で。
それもただ一緒に寝ていた訳じゃなくて……そういうことを?
分からない。全然覚えてない。
この下腹部の違和感が何を示すかなんて考えたくもない。