キミのことは好きじゃない。
昨日は一緒にお酒を飲んで……そのあとは?
記憶をなくすほど、飲んだつもりなんてなかった。
二日酔いのような気持ち悪さもない。
ただ記憶がないのと、下腹部の違和感だけだ。
この下腹部の違和感が、そういうことをしたことによるものなのかなんて……知らない。
したことないもん。
23歳になった今でも、颯斗以外となんて考えられなかったから。
別に守っていたわけでも何でもなくて、一生できなくてもいいくらいに思ってた。
だから、分からない。
どうしよう。自分の処女喪失よりも颯斗とそういう関係を持ってしまったかもしれないということがショックだった。
後悔が高波のように押し寄せてきて私を波の中へ引きずり込んだ。
どうしよう?
颯斗を傷つけてしまう。
せっかく大事な子ができたのに。その子の事を大切にすると話していたのに。
どうしよう……。
颯斗は傷ついて、後悔して、そしてきっと自分を責めてしまう。
そんなのダメ。
悪いのは私。
颯斗に彼女ができて、それがショックで辛くて……隠していたはずの想いが溢れてきて、それできっと颯斗を無理矢理襲ったのかもしれない。
正体をなくすほどお酒を飲んだんだもの。訳が分からなくなったんだきっと。
最低なのは、私。
悪いのは、私なんだ。