キミのことは好きじゃない。
そんな颯斗を前に仕事の愚痴を言うのはNGだよね……と一時期思ったことがあって、そんな遠慮が伝わってしまったのか颯斗から「俺のスタンスを押し付けるつもりはないし、お前の愚痴くらいで酒の味は変わんねぇよ」と一笑に付されてしまってからは、私は割と仕事の愚痴も平気で言っていた。
そう考えると、自分自信こだわりがちゃんとあって、だからと言ってそれを相手に押し付けることはせず受け止めてくれる颯斗の懐の広さには本当に感謝してる。
『カッコいい男』なんだよね。颯斗って。
今まで彼女がいなかったことが、本当に不思議で仕方ない。
でも、そんな颯斗に初彼女。
颯斗の理想そのまんまの『綿飴みたいなコ』なんだよね。きっと。
実は私はまだ颯斗の初彼女を見たことはない。
彼女が出来たと報告されたのが先週末で、それからはお互いに仕事が忙しくて飲みにも行ってないし。
見てみたいな。
颯斗も写真位撮ってるのかな?
隣では満面の笑顔で既にビールの2杯目を注文している颯斗。