夢から覚めれない
見たこともない、薄暗くて綺麗なレストランのような場所だ。レストランだろうか、それとも、どこかのバー?それともクラブ?ブルーを基調とした内装にいくつもの丸テーブルがあった。


私は「出ないと」と思い、出口に向かって身体を出口の方へ回転させるところで、誰かが私の腕を掴んだ。


私の目は出口に向かう段々の青い階段を見ていたが、俯きながら振り返り、派手なピンクのレースのミニスカートから覗く、太ももから下の細い足とヒールを見ている。



私を掴んだ手がグッと力を入れてた。


次の瞬間


私のピンクのドレスに小さなナイフの柄の部分が見える。その周りがほんの少し赤くなり始めている。

刺されたのだ。


ナイフの柄は10センチほどで、その周りのピンクのドレスについたビーズだかスパンコールだかが、キラキラしていた。


私の目は、私を掴んだ手を辿っていく、視線の先に男が満足した満面の笑みを浮かべていた。白いスーツのような服を品良く着ていた。若くて整った顔は男前の部類だろうか。


この男はナイフで私の下腹部を刺したのだ。それと同時に私は『あぁ、愛されてるな』とこの男の異常な愛情を感じた。


男は私の気持ちがわかったのか、自分の愛が伝わったことに満足して、さらに笑顔になった。



ここで目が覚めた、右隣りに寝ている娘に押しやられて最近2キロも太った浮腫んだ身体を小さくして起きた。
起きてすぐは身体が痛く、寝てたのに寝た感じがせず、起きたくなかった。


でも起きないと、旦那の弁当と子供達の水筒を用意して、連絡帳を書いて、洗濯物と買い物と・・・あっゴミも出さないと。


前日できる家事をやっとけばいいだけの話なのだか、これがなかなか出来ず朝は忙しい


朝の忙しさが過ぎ、ゆったりとした時間が流れ出すと、夢のことを色々と考えてしまう。

あの男の人、見たことないと思うんだけどな〜。面長で色白で、整った顔に、あの笑顔、黒くて短い髪が似合ってた、あの服装はホストとかかな?


怖いからそれ以上は考えないようにした。

それから2〜3日あの笑顔が忘れられなかったけど、もうほとんど忘れてしまった。

怖いから意識的に忘れようとした部分もあったかな。

時間が経った今でもはっきり覚えているのは、あの派手なピンクのキラキラしたドレスとヒール、長くて細い足。あの細い太もも、私の人生にあんなに細い太ももの時期はあっただろうか、羨ましい。

あのスカートどうなってるんだろう?コウモリ傘みたいに膨らんで、スカートの裾がナミナミの形だった。
なにかのプリンセスみたいなドレス?スカート?
夢の中で見たピンクのドレスだかスカートだかの人の目線での夢だったので、上半身は全く見ていない。
確かな服装がわからない、それに服に興味のない私には服装を想像するなは難題だ。

私とは正反対のファッションセンス、ラフな服装を好む私は、ドレスはシンプルな物が好きだ。



< 1 / 3 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop