サバイバル
「サエさん♪」

校門の近くで、サエさんにようやく追いついた。
今更ながら…サエさんって目立ってカッコいい。
後ろ姿だって、他の生徒とはちょっと違う雰囲気をまとっている。

「アサミ…。」

振り返る姿だって、なんて言うか…オーラが違う?
そうそう!そんな感じだ。
現に周りの女の子たち、何人かはサエさんに見惚れてる。

結局、私たちは途中まで一緒に帰ることにした。


「アサミって、高校からこっちに来たんだよね。」

通い慣れた道を歩きながら、隣にいたサエさんがふとつぶやく。

「うん?そうだけど、どうしたの急に?」

「いや、中学の時ってテニス部にマネージャーなんて居なかったからさ。俺らはずっと昔からテニスで集ってるけど、アサミが来てからはまだ2年ちょっとしか経ってないんだな~って。」

「確かにね、急に新参者で入っちゃって、みんなに馴染めるか始めはすっごく心配だった。」

夕になりかけた空を仰いで、昔のことをちょっとだけ思い出す。
サエさんが思い出したように、ププっと笑った。

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