地味なあの子は有名人?

転校

――――
――――――

ある日の昼休み
俺はまだ
佳菜と貴奈どっちが本当に好きなのか考えていた

人の話なんて上の空で何も聞き取れていない

すると松原が
そんな俺に気づいたのか
「おーい!章悟大丈夫か?この頃ぼーっとしすぎだろ」

「あっ、悪い…何の話?」
「だから!竹内の話。あいつ転校するらしいぜ、もう一つの美咲学園に」
「うそだろ!?なんで…」
「さぁ?わかんないけど…あいつが決めたんだからいいんじゃね?」

いきなり転校…
確かにあいつが決めたのなら俺らがとやかく言う必要はないし
言う資格なんて俺にはない
でもいくらなんでも急すぎないか?

すると竹内が教室に入ってきた
「聞いたぞ!転校するんだって?」
松原が身を乗り出して問い掛ける
「あぁ。新しい所へ行ってやり直したいんだ」
焦らず落ち着いて淡々と話す竹内。
その様子から本気で行くつもりなのが分かる。
「やり直すってここでもできるじゃん」
それでもまだ納得できない俺は竹内に問い掛けた
「まぁな。でも、もう決めたから」
そう言って竹内はにっこり笑った

「椎野ありがとな。お前のおかげで変われそうな気がするよ。またどこかで会おうぜ」
竹内は椎野の席の前まで行って言った
「うん。いつ転校するの?」
「明後日、早い方がいいし」
「そっか。あっちでも頑張ってね」
「あぁ」

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