地味なあの子は有名人?
改めて実感した…
でも俺はもう佳菜の事をスーパーアイドルとして見てない。

俺は下唇をかんで、佳菜と監督の間に入った。
「監督さん…佳菜はマスコットキャラクターじゃありません。演技をするためにいるんです。そう言うつもりで言ってないかもしれませんが…言葉には気をつけて下さい。」

監督はいきなり俺が入って来たのと、
いきなりの言葉に開いた口がふさがらない様だった

そして周りにいた他のキャストやスタッフ達の視線がこっちに来た。

「佳菜あっちでしゃべろ」
それに気づいた俺は佳菜の手を引っ張って誰もいない所へ連れて行った

「気にすんなよ。あの監督『口が悪い』で有名だから…お前の事気に入ってたみたいだったから言ってないって今まで思ってたけど…他に言われた事なかったか?」

佳菜は俺の問い掛けに答えずうつむいている
「どうして?なんでメール返さなかったかって聞かないの?なんでそんなに優しくするの?」
佳菜は小さくつぶやいた

「忙しかったからだろ?そんな事気にすんなよ、俺気にしてないし。それに優しくなんてしてない…俺もあの監督と同じ、お前をマスコットキャラクターとして見てた時あったから。でも今は一人の人としてしか見れないから…ほっとけないんだ。」

俺は何言ってるんだろ?

佳菜は目に涙をためていた
でも必死にこらえている
「泣きたいんだろ?思いきって泣けよ」
「でも…メイクが…」
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