眠り姫は夜を彷徨う
「その事故が起きた場所が、あの駅前から少し行った先なんです。だから、紅葉があの辺りまで足を延ばしていることを知った時、もしかしたら…って、おじさんの事故のことが頭を過ぎってはいたんです」
紅葉の様子を気にしながらそう語る圭に。
「成程な。…ってことは、お前。如月が掃除屋だってことも前から知ってたんだな?」
桐生が僅かに目を光らせた。
(ほらぁ…コワい、コワい。京介さん、そんなに素で凄んじゃうと免疫のない子羊ちゃんの本宮くんが怖がっちゃうからーっ!)
隣で容赦なく怖い顔を晒している桐生に、内心で苦笑を浮かべていた立花だったが、次の圭の言葉に凍り付いた。
「僕は、以前お二人が彼女の後を追って物陰に隠れていたのを一度見掛けた位です。紅葉が噂の掃除屋かも知れないと立花さんに聞くまでは、そんな可能性考えたこともありませんでした」
「あわわっ…ちょっと!本宮くんっ。その言い回しだと誤解を受けるからねっ」
途端に慌てだす立花に。桐生は「ほお?」と口の端を上げた。
「何だ、立花。興味深い話だな。お前、こいつが前から掃除屋だって知ってたってことか?」
(うわっ!ヤバイ!もっと凶悪な顔になってるからっ!)
「ちちち違いますって!それは誤解ですよ、京介さんっ!」
矛先が自分へと変わり、立花は背筋に変な汗が流れるのを感じていた。
確かに、一緒にいた掃除屋の彼女のことを圭には聞いたが、あの時圭は彼女のことについて「何も話したくない」と言った。圭が彼女と知り合いだという確証は得たものの、それ以外は調べが必要だった為、桐生には分かった時点で報告しようとしていたのだ。
(それが裏目に出たか…っ…)
紅葉の様子を気にしながらそう語る圭に。
「成程な。…ってことは、お前。如月が掃除屋だってことも前から知ってたんだな?」
桐生が僅かに目を光らせた。
(ほらぁ…コワい、コワい。京介さん、そんなに素で凄んじゃうと免疫のない子羊ちゃんの本宮くんが怖がっちゃうからーっ!)
隣で容赦なく怖い顔を晒している桐生に、内心で苦笑を浮かべていた立花だったが、次の圭の言葉に凍り付いた。
「僕は、以前お二人が彼女の後を追って物陰に隠れていたのを一度見掛けた位です。紅葉が噂の掃除屋かも知れないと立花さんに聞くまでは、そんな可能性考えたこともありませんでした」
「あわわっ…ちょっと!本宮くんっ。その言い回しだと誤解を受けるからねっ」
途端に慌てだす立花に。桐生は「ほお?」と口の端を上げた。
「何だ、立花。興味深い話だな。お前、こいつが前から掃除屋だって知ってたってことか?」
(うわっ!ヤバイ!もっと凶悪な顔になってるからっ!)
「ちちち違いますって!それは誤解ですよ、京介さんっ!」
矛先が自分へと変わり、立花は背筋に変な汗が流れるのを感じていた。
確かに、一緒にいた掃除屋の彼女のことを圭には聞いたが、あの時圭は彼女のことについて「何も話したくない」と言った。圭が彼女と知り合いだという確証は得たものの、それ以外は調べが必要だった為、桐生には分かった時点で報告しようとしていたのだ。
(それが裏目に出たか…っ…)