眠り姫は夜を彷徨う
素直な紅葉の様子に、桐生は口の端を上げた。
「だったら、まずはお前自身がそれをちゃんと自分で受け止めないとな」
「自分で…受け止める…」
「ああ。目を逸らさず全てを受け止めろ。悔しさだとか悲しみだとか何もかも、な。無理して平気な顔なんかしようとするから変なところで自分が抑えられなくなるんだよ。だから、まずは自分の気持ちに素直になってみろよ」
腕を組みながらそう話す桐生は、とても穏やかな顔をしていた。横についている立花も門脇も時折頷きながら桐生の意見に静かに耳を傾けている。
「その上で、これからのことはオレらに託してくんねぇか?」
そう語る桐生の瞳には、今度は強い意志が宿っていた。
「え…?」
紅葉は目を丸くした。
(どういう意味?だろう…。託す…?)
思い切り『?』を飛ばしてしまう。無意識に救いを求めるように隣に座る圭に視線を向けるが、圭は真剣に桐生の言葉に耳を傾けているようだった。
「確かに今だにあの辺りは物騒で、放っておけない位馬鹿な奴らで溢れてる。今のままではお前の親父さんの事故みたいなことがまた起きないとも限らねェ。そこは何としても防がなきゃなんねぇとは思うが…でもな、だからと言ってお前一人がそこまでして頑張る必要なんかねぇんだよ。寧ろ、このままじゃオレら松竹組の名が廃るってもんだよな?」
そう区切ったところで、桐生は横の二人に同意を求めるようにニヤリと笑みを浮かべた。
「京介さんっ。それじゃあ…」
「若…」
「ああ。今後は、松竹組が責任を持って街の浄化・再生に全力を尽くさせて貰う」
「だったら、まずはお前自身がそれをちゃんと自分で受け止めないとな」
「自分で…受け止める…」
「ああ。目を逸らさず全てを受け止めろ。悔しさだとか悲しみだとか何もかも、な。無理して平気な顔なんかしようとするから変なところで自分が抑えられなくなるんだよ。だから、まずは自分の気持ちに素直になってみろよ」
腕を組みながらそう話す桐生は、とても穏やかな顔をしていた。横についている立花も門脇も時折頷きながら桐生の意見に静かに耳を傾けている。
「その上で、これからのことはオレらに託してくんねぇか?」
そう語る桐生の瞳には、今度は強い意志が宿っていた。
「え…?」
紅葉は目を丸くした。
(どういう意味?だろう…。託す…?)
思い切り『?』を飛ばしてしまう。無意識に救いを求めるように隣に座る圭に視線を向けるが、圭は真剣に桐生の言葉に耳を傾けているようだった。
「確かに今だにあの辺りは物騒で、放っておけない位馬鹿な奴らで溢れてる。今のままではお前の親父さんの事故みたいなことがまた起きないとも限らねェ。そこは何としても防がなきゃなんねぇとは思うが…でもな、だからと言ってお前一人がそこまでして頑張る必要なんかねぇんだよ。寧ろ、このままじゃオレら松竹組の名が廃るってもんだよな?」
そう区切ったところで、桐生は横の二人に同意を求めるようにニヤリと笑みを浮かべた。
「京介さんっ。それじゃあ…」
「若…」
「ああ。今後は、松竹組が責任を持って街の浄化・再生に全力を尽くさせて貰う」