眠り姫は夜を彷徨う
そうして紅葉と圭の関係は、ただの幼馴染みから両想いの関係へと変化を遂げたのだった。
でも、実際のところ二人の間で目に見えて何が変わったということはなく、互いの気持ちを知ったことで意識の違いはあるものの特に変わらぬ毎日を送っている。
何より、こうして一緒にいられること。
自分が圭ちゃんの隣にいても良いんだと本人の了承を得られていることが何よりも嬉しい。
前は途中でどちらかの友人に会えば、その場で別れて登校するようにしていたが、それも圭ちゃんからの意外な意見によって止めることにしたのだ。
「紅葉がそうしたいって言うから反対するまでもなくそれに従ってたけど。僕は、出来るなら紅葉と一緒に登校したいな」
真っ直ぐにそんなことを言われてしまったら、もうこくこく頷くことしか出来なかった。
もともと、モテる圭の負担になりたくないと思って紅葉が言い出したことだ。一緒にいることで、自分と変な噂を立てられてしまうのも申し訳なかったし、何より香帆のように圭のことを好きな女子に色々言われたことが原因でもあった。
実際それがなかったら自分からそんな風に距離を取ることなんてなかっただろう。それくらい自分にだって圭ちゃんと一緒の登校時間は貴重なものだったのだ。
それを簡単に伝えると、
「そんなの関係ないよ。僕と紅葉のことで他人にとやかく言われる覚えはないし。言いたい奴には言わせておけばいいんじゃないかな」
そんな男前な言葉が返って来た。
「でも、もしも紅葉に何か言って来たり、危害を加えてくるようなことがあったら今度はちゃんと僕に教えてね?絶対だよ」
そんな約束まで取り付けられて。
でも、実際のところ二人の間で目に見えて何が変わったということはなく、互いの気持ちを知ったことで意識の違いはあるものの特に変わらぬ毎日を送っている。
何より、こうして一緒にいられること。
自分が圭ちゃんの隣にいても良いんだと本人の了承を得られていることが何よりも嬉しい。
前は途中でどちらかの友人に会えば、その場で別れて登校するようにしていたが、それも圭ちゃんからの意外な意見によって止めることにしたのだ。
「紅葉がそうしたいって言うから反対するまでもなくそれに従ってたけど。僕は、出来るなら紅葉と一緒に登校したいな」
真っ直ぐにそんなことを言われてしまったら、もうこくこく頷くことしか出来なかった。
もともと、モテる圭の負担になりたくないと思って紅葉が言い出したことだ。一緒にいることで、自分と変な噂を立てられてしまうのも申し訳なかったし、何より香帆のように圭のことを好きな女子に色々言われたことが原因でもあった。
実際それがなかったら自分からそんな風に距離を取ることなんてなかっただろう。それくらい自分にだって圭ちゃんと一緒の登校時間は貴重なものだったのだ。
それを簡単に伝えると、
「そんなの関係ないよ。僕と紅葉のことで他人にとやかく言われる覚えはないし。言いたい奴には言わせておけばいいんじゃないかな」
そんな男前な言葉が返って来た。
「でも、もしも紅葉に何か言って来たり、危害を加えてくるようなことがあったら今度はちゃんと僕に教えてね?絶対だよ」
そんな約束まで取り付けられて。