眠り姫は夜を彷徨う
(私だって街で圭ちゃんを見掛けたら、例えそれが後ろ姿であっても見分ける自信、あるもんね)
その位、自分たちは一緒にいたのだ。それこそ小さな頃はずっと。まるで家族のように。
(でも、今は…昔ほど距離が近い、とは言えないかな)
偶然同じ高校へ通うことにはなったものの、校内で見掛ける圭の隣を歩く友人は自分の知らない者が断然増えた。
昔なら、その友人の輪の中に自分も一緒に入っていたのに。
生活環境が変化し大人へと成長していく過程で、幼い子どもの頃のままでいられるとは思わない。
圭と自分の関係は、ただ家が隣同士というだけなのだから。
それこそ、その距離感を間違えたら、また思わぬトラブルに巻き込まれ兼ねない。
圭自身は何も言わない。自分が隣を歩くことも許してくれている。今のところは。
(でも、それがいつまでも続くなんて思ってちゃダメだよね)
気付けば、前を歩く圭の周囲には同じクラスの者たちなのだろう。いつの間にか数人の男女が加わり、皆で会話に花を咲かせているようだった。
遠く感じる、距離…。
そこに思わぬ寂しさを感じてしまうのは、身体が怠くて気持ちがマイナスに働いてしまっているからだろうか。
(しっかりしろ、もみじ!まずは自分の行動をしっかり把握しておかないと)
余計な感傷に浸っている場合ではない。
とはいえ、夜の行動に関しては自分ではどうすることも出来ないのだけれど。
ただ漠然とした不安だけが胸に燻ぶっている。
何だか、嫌な予感がした。
その位、自分たちは一緒にいたのだ。それこそ小さな頃はずっと。まるで家族のように。
(でも、今は…昔ほど距離が近い、とは言えないかな)
偶然同じ高校へ通うことにはなったものの、校内で見掛ける圭の隣を歩く友人は自分の知らない者が断然増えた。
昔なら、その友人の輪の中に自分も一緒に入っていたのに。
生活環境が変化し大人へと成長していく過程で、幼い子どもの頃のままでいられるとは思わない。
圭と自分の関係は、ただ家が隣同士というだけなのだから。
それこそ、その距離感を間違えたら、また思わぬトラブルに巻き込まれ兼ねない。
圭自身は何も言わない。自分が隣を歩くことも許してくれている。今のところは。
(でも、それがいつまでも続くなんて思ってちゃダメだよね)
気付けば、前を歩く圭の周囲には同じクラスの者たちなのだろう。いつの間にか数人の男女が加わり、皆で会話に花を咲かせているようだった。
遠く感じる、距離…。
そこに思わぬ寂しさを感じてしまうのは、身体が怠くて気持ちがマイナスに働いてしまっているからだろうか。
(しっかりしろ、もみじ!まずは自分の行動をしっかり把握しておかないと)
余計な感傷に浸っている場合ではない。
とはいえ、夜の行動に関しては自分ではどうすることも出来ないのだけれど。
ただ漠然とした不安だけが胸に燻ぶっている。
何だか、嫌な予感がした。