眠り姫は夜を彷徨う
(…掃除屋?)
その聞き慣れない言葉に内心で首を傾げた。
そのまま立ち止まっていた足を再び動かすことで自然とその二人組の後をついて行く形になる。その為、会話の続きが自然と耳に入ってきた。
「さながら痛快な映画のアクションシーンみたいだったぜッ。でもな、驚くトコはそこじゃねぇんだよッ」
「どーいう意味だ?」
「それがな、その掃除屋って実は…。女かも知れねぇんだ」
(……えっ?)
紅葉は思わず瞳を見開いた。
「はぁっ?冗談だろッ?!」
「いや!それがマジなんだってのッ!」
まるで凄い秘密を知ってしまったのだとでも言うように、その男子生徒は興奮冷めやらぬ様子で言った。
「顔までは見てねぇんだけどさ、髪がスゲー長かったんだよッ」
(…長い、髪…?)
無意識に空いた右手で胸の前に垂らした三つ編みを紅葉はそっと握りしめる。
「いや、髪の長さだけじゃわかんねーだろ。長髪の男かもしんねぇじゃん?今は男だって珍しくねぇぞ?」
「まぁそうなんだけどさー」
「だって、あのファントムを潰した奴だろっ?それが女のワケねェじゃんっ。それも一人で?流石に有り得ねーって。実際女だとしたら、どこの厳ついゴリラだよッって感じ!」
そう言ってゲラゲラと声を上げて笑った。
一方の『掃除屋』を目撃したという男子生徒の方は「別にそんなゴリラでもなかったし…」とかブツブツ不満そうに何事かを呟いていたが、その話はそこで終わってしまったらしかった。
その聞き慣れない言葉に内心で首を傾げた。
そのまま立ち止まっていた足を再び動かすことで自然とその二人組の後をついて行く形になる。その為、会話の続きが自然と耳に入ってきた。
「さながら痛快な映画のアクションシーンみたいだったぜッ。でもな、驚くトコはそこじゃねぇんだよッ」
「どーいう意味だ?」
「それがな、その掃除屋って実は…。女かも知れねぇんだ」
(……えっ?)
紅葉は思わず瞳を見開いた。
「はぁっ?冗談だろッ?!」
「いや!それがマジなんだってのッ!」
まるで凄い秘密を知ってしまったのだとでも言うように、その男子生徒は興奮冷めやらぬ様子で言った。
「顔までは見てねぇんだけどさ、髪がスゲー長かったんだよッ」
(…長い、髪…?)
無意識に空いた右手で胸の前に垂らした三つ編みを紅葉はそっと握りしめる。
「いや、髪の長さだけじゃわかんねーだろ。長髪の男かもしんねぇじゃん?今は男だって珍しくねぇぞ?」
「まぁそうなんだけどさー」
「だって、あのファントムを潰した奴だろっ?それが女のワケねェじゃんっ。それも一人で?流石に有り得ねーって。実際女だとしたら、どこの厳ついゴリラだよッって感じ!」
そう言ってゲラゲラと声を上げて笑った。
一方の『掃除屋』を目撃したという男子生徒の方は「別にそんなゴリラでもなかったし…」とかブツブツ不満そうに何事かを呟いていたが、その話はそこで終わってしまったらしかった。