眠り姫は夜を彷徨う
しっかりと家の施錠をして通りへと出ると、いつも通りキィ…と音を立てて隣の家の門から出てくる少年の姿が目に入った。
「圭ちゃんっ」
紅葉は軽く手を上げると、その人物の傍へと歩いて行く。
少年は目の前まで紅葉が来るのを足を止めて待ちながら、
「おはよう、紅葉」
そう挨拶をして笑顔を見せた。
「おはよう」
そうして二人は、それが当たり前のように並んで歩き始める。
彼の名は、本宮圭。紅葉の隣の家に住む同級生だ。
紅葉と圭は、いわゆる幼馴染みというやつで、この家に引っ越して来た幼稚園時代からの付き合いである。
小中学校は勿論のこと、高校も偶然同じ学校に通うことになり、時間が合えば、こうして一緒に登校したりもしている仲だ。
実をいうと、紅葉は圭が家を出る時刻を把握していて、敢えてこの時間に合わせて出ていたりするのだが、そこに特別な含みはなく『折角同じ学校に通っているんだし一緒に行こうよ』的な至って軽いノリでしかなかったりする。
それでも圭も嫌な顔などを見せることはないし、二人にとってこの距離感が普通なので、居心地の良い時間に変わりはないのだ。
「でも、まさかこうして毎日、また圭ちゃんと学校行けるなんて思ってなかったよね」
紅葉が嬉しそうに笑顔を浮かべると。
「そうだね。歩いて行ける距離だし、何だか中学の延長みたいな感じで高校生っていう実感もイマイチ湧かないけどね」
そう微笑みを返してくれる。
「圭ちゃんっ」
紅葉は軽く手を上げると、その人物の傍へと歩いて行く。
少年は目の前まで紅葉が来るのを足を止めて待ちながら、
「おはよう、紅葉」
そう挨拶をして笑顔を見せた。
「おはよう」
そうして二人は、それが当たり前のように並んで歩き始める。
彼の名は、本宮圭。紅葉の隣の家に住む同級生だ。
紅葉と圭は、いわゆる幼馴染みというやつで、この家に引っ越して来た幼稚園時代からの付き合いである。
小中学校は勿論のこと、高校も偶然同じ学校に通うことになり、時間が合えば、こうして一緒に登校したりもしている仲だ。
実をいうと、紅葉は圭が家を出る時刻を把握していて、敢えてこの時間に合わせて出ていたりするのだが、そこに特別な含みはなく『折角同じ学校に通っているんだし一緒に行こうよ』的な至って軽いノリでしかなかったりする。
それでも圭も嫌な顔などを見せることはないし、二人にとってこの距離感が普通なので、居心地の良い時間に変わりはないのだ。
「でも、まさかこうして毎日、また圭ちゃんと学校行けるなんて思ってなかったよね」
紅葉が嬉しそうに笑顔を浮かべると。
「そうだね。歩いて行ける距離だし、何だか中学の延長みたいな感じで高校生っていう実感もイマイチ湧かないけどね」
そう微笑みを返してくれる。